今の会社を辞めるべきか続けるべきか

居心地の悪い会社を、辞めるべきかどうかで、悩む人は多い。

新しい人生にチャレンジすべきだ、辞めた方がいい、とアドバイスをする人がいる。

今辞めるとキャリア的に不利、能力も身についていない、辞めるべきではない、とアドバイスする人もいる。

どちらのアドバイスにしたがえば良いのか、迷う。

「失敗」しても笑えるならば、その道を選べ

会社残留であれ退職であれ大切なのは、成功した場合だけではなく、同時に失敗した場合を想像することだ。

そして、失敗しても悔やまない方を選ぶことだ。失敗したとしても、
「これでよかった」
と笑える道を選んではどうだろうか?

決断をしようとするとき、人はどうしても成功した場合を材料にして考える。失敗したらどうしよう? と迷うとき、ネガティブな思いに囚われていて、それを想うとき、
「あ、いけないいけない」
と振り払おうとする。それではいけない。

今より給料が落ちる場合もある。家族を失う場合だってあるだろう。それでもその苦労を笑いながら受け入れられるだろうか? と想像してほしいのだ。

いずれ人間は死ぬが、死ぬ時に、
「これでよかった」
と思えるならば、その道を選べばいい。

年齢とともに変わる価値観

もっとも、人生観や価値観は年齢とともに変わるため、将来予測を難しくする。

若者もいずれ保守的になり、冒険よりも安定思考となる。この物言いに腹を立てる人もいるが、思春期以前と以降とで自分の感情や価値観が激変したように、今の感性がいずれ変わることはどうしようもない現実であり、それもまた考慮した方がいい。

今の価値観で選んだ人生の選択を、今ならば幸せだと思うかもしれないが、年老いてから幸せだと感じるかどうかはわからない。

結局のところ、将来は予測不可能で、自分も変わり続けるという現実の前では、将来が分からない不安定さを受け入れて生きていくしかない。

今の会社に留まる方が8割の可能性で成功する、と考えていたのに、リストラされたり嫌な上司にぶち当たったりして定年まで数十年の間、苦労するハメに陥ることだってあるだろう。

ピラミッド型の指示系統の会社ならば、上司の数は部下より少なくしなければならない。大多数の人間が、出世街道から脱落するか、協力会社に飛ばされるか、リストラされていく。構造改革でリストラが日常化される以前から、日本の社会はそういう構造だ。

激変を選んだ結果が安定につながり、安定を選んだ結果が急展開を生むことも多い。

辞めるにせよ、辞めないにせよ、結果的に人生に失敗すれば後悔するだろうし、幸せな人生をその後に歩めば、これでよかったと幸福を噛みしめることになる。

将来をある程度予測することは可能

とはいえ、ある程度予測できる未来がある。

  • 今、会社の中で人間関係がつらく、それを改善するための方法が何もなく、この状態がこれから何年も続くのならば、心は次第に病んでいくだろう。
  • 儲からない業界にいて、経営者が優秀でないならば、業界が沈没するスピードに合わせて、自分の生活も苦しくなっていくだろう。
  • 資格の勉強もしたいしやりたいこともあるのに、残業が常態化していて今後も続くのであれば、やりたいこともできず、資格も取れないまま、年を取ることになるだろう。

精神であれ身体であれ、健康は何よりも優先する。明らかに健康を損なう未来が見えるならば、今の会社を辞めた方が良い。

人間は現状にしがみつき、失敗を強く意識する動物

冒頭で、辞めるべきか辞めざるべきか、という命題を掲げながら、ここまで、私は安定を選んで会社に残留する人にからく、転職する人に好意的に論じている。

その理由は、人間の心の中に現状維持を強く願うバイアスがある、からだ。

現状を肯定し、予測不可能な将来にネガティブな印象を持つような本能が、人間にはそなわっているからだ。

もしも辞めるかどうか、将来のメリットやデメリットを考えに入れても、五分五分で判断に迷っているならば、今の会社を辞めるべき、と言える。

なぜなら本来は辞めるデメリットの方が大きいのに、それでも「辞めたい」「転職したい」と考えているのならば、辞めるメリットの方が実は大きい可能性がとても高いから。

ちなみに、変化を選んで転職した結果、思ったほどの成功をおさめられないと、大声で不遇を嘆く習性が人間にはある。その泣き声は大きくて注目を集めるが、実際は泣き声をあげている人の転職は客観的に見れば正解だったことも多い。

不幸を嘆く人の声は大きくなる傾向がある

たとえば、慶応卒、40代独身男の転職貧乏人生「最初の会社の同期は年収1000万円…後悔しかない」 という記事では、慶応卒の40代の人物が、年収が680万円でありながら、同期が年収1000万円であることに悔しさを募らせているという。

出典:ぱくたそ

しかし、よくよく読めば、年収1000万円が約束されていた前職では、飲み会も多く時間的な余裕もなく、体調も壊してしまったという。

そこから逃れられ、そこそこ恵まれた現状に満足できず、過去のブラック企業を懐かしむような人間は、不満を募らせる人だ。前職にとどまっていたら鬱病に一直線だっただろう。

どのような選択をしても満足できず、後悔する人は、不満屋である。不満屋の声は大きくて目立つ。そして、不満屋の人間は多い。だから転職して失敗したという言葉が散乱する。

ところが実測値では、ブラック企業を辞めて喜んでいる人のほうが圧倒的に多い。あなたの周りでもそうではないのか?

本来、辞めなくても多くのことができるべき

そもそも、今の会社を辞めるかどうかで悩んでいることがおかしい。

 

社会人には本来たくさん自由があるべきだ。

資格の勉強、休日のボランティア、プログラミングの勉強。今の仕事を続けながらでも、他のことに挑戦する時間がなくてはならない。その時間さえ仕事で奪うような会社は、社会から淘汰されていくべきだ。

なぜなら、人間には幸せになる権利があり、人生の大半を占める社会人生活で、仕事以外の余裕を与えない企業は「悪」だからである。

転職にはさまざまな苦労が必要だ。だから、たとえ前向きな理由で転職するにしても、本来ならば無駄な時間と言える。

今の仕事に不満であっても、それ以外で自己実現を狙える環境であれば、転職しなくてもいい、と考える人は多いだろう。しかし、それができない職場、奴隷的な職場が世の中に多いのが問題だ。

辞めないリスクはあなたが考えている以上に大きい

留まることは無論、悪いことではない。

しかし、今の職場にとどまっていれば、やがて役職がつき、放っておけない部下も増え、身動きが取れなくなる。

転職しようかどうしようか、迷えるのは、幸せなことなのだ。世の中には、仕事を続けるか、死ぬかで迷っている人も多い。

今の職場でストレスを感じているならば、今後ストレスは、増えこそすれ減りはしないだろう。身動きが取れない未来は確実にやってくる。

そのどん詰まりの中で、人生に絶望してうつ病となって自殺を選んでしまうかもしれない、という未来が見えるならば、今の環境から飛び出すべきではないか?

一人で転職するのが怖いならば、転職エージェントに相談するという方法もある。誰かに相談できるならば、転職はそれほど怖いことではない。

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