転職先として探偵事務所(興信所)はどうか? 探偵業とは?

一時期「探偵」という仕事に憧れ、転職を模索していたことがあった。

プロフィールで、「複数のブラック企業で勤務してきたのは、面白い世界をのぞいてみたいという好奇心が1番の原因」と書いたとおり、他人と違う刺激的な経験を積みたいと考えてきた。

出典:ぱくたそ

推理小説やノンフィクションの影響で探偵に憧れる

その当時に赤川次郎にはまっていた。

「三毛猫ホームズ」や「吸血鬼はお年ごろ」シリーズなどをよく読んでいた。彼の小説にはときどき探偵が出てくる。

アメリカのハードボイルド小説のような、刑事と協力しながら殺人事件を解決したり、ときには敵と戦ったりするような探偵は日本には存在しない。浮気調査や身辺調査が探偵の主な仕事であることを知ったのは、彼の作品だったと記憶する。

それから露木まさひろの『興信所』というノンフィクションを読んだ。興信所(こうしんじょ)とは探偵事務所の別名である。「興信」とは「信を興す(おこす)」という意味であり、依頼によって対象者の身辺を調査すること。信用ある人物かどうかを見極めることを指す。

「探偵」という言葉からは、小説に描かれるような荒唐無稽な仕事をしているイメージがつきまとう。そのイメージを嫌って、興信所と名乗るところも多いようだ。

ノンフィクションである『興信所』は、興信所(探偵事務所)の歴史や実態を丹念に追った力作で、これ一冊で1980年代の探偵業界のことがあらかた分かる良作だった。

ときどきAmazonに古本が出る。今では1冊1円ほどなので、興味のある方は買ってみたらいいと思う。

『興信所』(露木まさひろ 朝日文庫)

採用予定の会社から身辺調査の予告を受ける

このような仕事がある、ということは、知らない人にとっては驚きだろうが、今でも会社によってはよく利用されているようだ。特に、採用者の身辺調査で利用されている。2005年に警察庁が 「調査をすることを対象者に通達することが望ましい」と通達している影響で、採用予定者には会社から告知されることが多いようだ。

私も一度、建設会社の面接を受けた際に、「あなたを採用するかどうか、これから身辺調査をしますが、いいですね?」と事前に告知されたことがあった(一週間後に問題なく採用通知を受けるまでは不安だった)。

とはいえ、政府の通達を守らない事務所も多いというので、私達が知らないだけで、身辺調査は数多くこっそり行われているのだろう。電話帳の探偵事務所の多さがその証拠だ。

人間、どのような人物なのか調べてみないと分からない。反社会勢力とつながりがあるケースも有るだろうし、ドラッグにハマっているケースもあるだろう。これまで問題行動を数多く起こしてきた人物である可能性もある。

探偵事務所に打診する

探偵という仕事は、他人の秘密を調べ、真実を暴くものだ。

「汚い仕事」だと嫌う人もいるだろう。秘匿性が高いから、表立って話せる仕事ではなく、他人のアラを暴く行為だから、他人の人生を滅茶苦茶にする可能性のある仕事でもある。

だが、そこが面白い。殺人事件の犯人を暴くような派手で胸のすくような仕事ではないかもしれないが、浮気調査をして他人の不貞を暴くことも、騙される人を救うという意味では有意義だし、十分ワクワクする仕事ではないか。

悩むよりも行動だと考えて、私がまずしたのは探偵事務所に電話をして、アルバイトとして採用してもらえることは可能かと尋ねることだった。まずはアルバイト、それが面白ければ、社員になろうと考えた。

私がある会社を辞め、貯金と失業保険で食いつないでいたときであり、多少暇だったからこういう発想が湧いたのかも知れない。

探偵の実際について簡単に教えてもらう

電話口に出た探偵事務所の職員は、人手不足だからもちろん採用可能、すぐに面接に来てほしい、と言われた。

「時間を拘束されるので、バイトとしてはきついかもしれない。むしろ契約社員としてフルタイムで働いた方がいい」
「給料は多くは出せない。15万円ほどだ。だが、普段の食費は我々が出すし、ある程度慣れたらすぐに昇給するから、金銭的に不自由はしないと思う」

と早口で言われて、その気になった。

15万円は当時としても低い給与水準だった。だが、生きていけない額ではない。

友人から止められる

履歴書を作成して、応募する前に当時の親友に相談すると、辞めておけ、と言われる。

「一度そういう仕事に就くと、二度と抜けられないんじゃないの?」
「他人の秘密を暴露する仕事に就く人間と友達でいたくない」
「今失業中でしょ? もっと真面目に仕事を探しなよ」

友人は真面目な人間だった。

今から考えれば、その業界のことも何も知らないのに辞めろもへったくれもないのだが、なにしろ若いときの親友の存在は大きい。

彼がそこまで嫌うのならば、業界に思い入れがあるわけでもないと思い返し、探偵事務所の求人に応募することを取りやめたのだった。

一度きりしか無い人生、探偵を経験してみたかった

今、そのことを微妙に後悔している。

一度きりしか無い人生じゃないか。独身で失業中で貯金もあるという機会なんぞ、人生においてなかなかないぞ。せっかく得た人生のモラトリアム期間に、もっと冒険すれば良かった……。

今までいろいろな職業の人物と出会ってきたが、探偵をしていた人と会ったことは一度もない。それだけ身近にいないレアな存在だ。自分がそれになっていたら、多分他人がしたこともない面白い経験が出来たのではないか、と思うのだ……。

気軽に探偵について知ることができる場所がある

今から人生をリセットして探偵業界に飛び込む勇気はない。しかし、小説の世界で刺激的に描かれる探偵業に憧れはある。同じ様な人は多いかも知れないし。まだ20代や30代前半で、探偵業界に興味を持っている人がこのブログの読者にいるかもしれない。

その場合は、まずは探偵カフェなるものに行ってみてはどうだろうか?

探偵Cafe プログレス 

東京の池袋にあるカフェ兼バーは、探偵事務所が経営していて、スタッフは現役の探偵ばかりだ。本職の探偵に気軽に話を聞けるだけではなく、犯人を当てる謎解きのイベントも定期的に開催している。

スタッフの方は気さくで、インテリアが凝っていているだけで楽しい。自分が小説の登場人物になったような、興奮を味わうことができる。

探偵の調査方法を学び、実地で経験できる学校がある

ただ、ここで聞ける話はしょせん酒の場の物語であり、もっと本格的で実践的な内容を知りたい、という人もいるだろう。

その場合、HAL探偵社の教育機関であるHAL探偵学校の体験コースを受ける、というのはどうだろう? 約10万円で合計12時間かけて、講習+実地研修を受けることができる。

・HAL探偵学校 

張り込みや尾行といった探偵業務に欠かせない調査方法を中心に講義を行い、講義でインプットした内容を実習でアウトプットできるようになっています。また、現場のスリル、プロのレベルを実感できる調査見学を多めにカリキュラムに組み込んでいます。

 

もっとも、12時間で学べるのは体験コースであり、本格的なプロである調査員育成コースを受けるには35万円、独立開業コースとなると148万円かかるので、探偵業に本格的に取り組みたいならば、上のコースを受けたほうがいいのだろう。

大阪にもある探偵学校。転職前にまず学校へ

西日本に住む人間にとって、東京はちと遠い。その点、HAL探偵学校は東京校だけではなく、大阪校もあるので便利だ。

ちなみに東京校は新宿区西新宿に、大阪校は北区中崎西にあり、梅田駅が近い。

HAL探偵学校

 

調査という仕事には意外に需要がある。あらゆる仕事がコンピューターに取って代わられつつある現代、最後まで残るのは人間相手の仕事だ。探偵業は究極の人間相手の仕事とも言える。

泥臭い仕事だ。尾行したり、取材したり、盗撮したりして、嘘をついている人間の真実に迫ろうとする行為は、AIが普及しても、AIに取って代わられるものではない。

仕事自体はきついだろうが、将来に職がなくなるという職種ではない、と言えるかも知れない。

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