英語は自由へのパスポート

英語は自由へのパスポート

幕末に蘭学(オランダ語)を学んだ人々が新しい時代を拓き、明治の新しい世の中で立身出世を果たした。

現代日本で、蘭学の代わりになるのは英語だ。

世の中に、中途半端な知識で役立つものは少ないが、英語は数少ない例外の一つ。日常会話が出来ないレベルでも、さまざまな点で人生に役立つ。

その一つが、転職の際に一種の資格となる点だ。

今あなたが自分の環境に満足しているならば、英語に執着する必要はない。

しかし、もしもあなたが今の環境から逃れて自由になりたいならば、英語が手助けとなる。特にブラック企業にいるならば、なおさら、英語をまずは勉強することをお勧めしたい。

出典:ぱくたそ

今の日本を作った戦時体制

なぜ英語なのか? そのためには、ブラック企業というあなたを苦しめている仕組みが、どこからやってきたのか、知らねばならない。

給料も安いくせに責任だけは重い。長時間労働を強制し、自由に退職することを許さず、上司のパワハラやセクハラが当たり前。悪辣な労働環境の原因となり、日本に偏在しているブラック企業は、日本の悪いところを煮詰めた存在だ。

ブラック企業を生み出した日本の勤労文化は、どこからやってきたのか?

明らかに、日本帝国軍の作り上げたシステムが発生元となっている。

一橋大学の名誉教授・野口悠紀雄さんによれば、1940年に策定された戦時体制が、今の日本の経済システムの骨格を作ったという。

  • 株式市場から資金を調達するのではなく、銀行による間接金融が融資の中心
  • 給与所得への源泉徴収制度の導入
  • 終身雇用・年功序列・企業別労働組合という日本型経営の特徴と言われてきたもの
  • 官僚の天下り先の機関の整備
  • 地方交付税や補助金による地方支配

国土が狭く資源の少ない小国が、大国と戦い勝ち続けるために整備された戦時体制が、現代日本の在り方を規定し、今も続いている。

戦後に軍国主義が日本人に浸透した

野口氏が指摘したのは、国家経済のグラウンドデザインだが、軍隊の影響はもっと根深い。

そもそも明治以降から始まった国民皆兵制により、軍隊システムは日本人の組織運営の手本となってきた。

初年兵の教育法だとか、組織の運営法だとか、意識高揚の方法とかが、日本人の中にしみわたった結果、(前近代的な要素を多分に含んでいるとしても)近代的な組織運営法を誰もが身につけ、それが戦後の高度経済成長の基礎となっている。

私たちは、明治時代から昭和初期にかけての人々が、軍国主義の影響を大きく受けたと思っている。だが、当時の日本を動かしてきた人たちは、江戸時代に生まれたか、江戸時代に生まれた親の影響を受けてきた人々だ。

だから、彼らはサムライ文化の影響を大きく受けていて、軍隊の影響は限定的であったとも言える。むしろ戦後日本人の意識や道徳に、軍隊システムが染み渡っているように思う。

軍国主義の残滓が日本人を苦しめる

その一つの現れが、「体育会系」という在り方だ。その中身や文化は、日本軍の新人教育制度に由来しているものが多い。

  • 後輩は先輩に絶対服従
  • 無駄な会話は一切禁止
  • 新入生イジメ、シゴキ
  • 部活第一主義。全てを部活に捧げることを要求
  • 新入生は一年間、無駄な雑用をして過ごす
  • 学校卒業後も続く序列関係

ブラック企業が従業員に要求するのは、体育会系の社会で求められるものが多い。それはかつての軍隊で、兵士に求められてきたものだった。

また、明治政府が整えた家父長制は、家庭すら軍事組織の末端へと変えようとするものだったが、成果が大きく花開いたのは戦後日本でだった。

専業主婦が銃後の守りに徹し、企業戦士たちが粉骨砕身で企業のために働いてきたのは、その現れだろう。

先日電通社員の過労死が話題になったが、あのような環境で自殺まで追い込まれても、昔は事件にすらならなかった。過労のために自殺したり病死したりした日本人は、過去に何万人といただろう。彼らは戦死してきたのだ。

変わらない日本から脱出するために

日本の労働環境はなかなか変わらない。電通社員過労死事件のあとでも、大手企業の過労死の報道が相次ぐほどだ。

高負荷高ストレスの中で生き残った人が今の日本の指導者層なので、彼らの中から「過労死を無くそう」という強い欲求はうまれにくいのだろうか。

大手企業ですらそうなのだから、中小企業には過労死レベルの労働を求める企業がそこかしこにあり、人々を苦しめている。外部から内情を知れればいいが、名誉毀損罪で訴えられることが怖くて、退職した人々は口をつぐむ。

ブラック企業が蔓延しているものだから、いくら注意しても、迷い込むことは避けられない。

絶望的なシステムにからめとられてしまったあと、そのシステムから逃れるためには、システムの埒外に移ることだ。

そこで一番手っ取り早いのが、人間を尊重する欧米系の外資企業に転職することだろう。

正社員ではなくても良い。派遣社員や契約社員で良い。派遣会社ですら、欧米系の外資企業では、社員を人間として扱おうとする姿勢を文化として持っているところが多いことを知ってほしい。

そして、外資系に進みたいなら、英語が必須となる。どのように英語が使えるかは、「英語はどのように武器になったか」で述べている。

日本のシステムが崩壊をしていく中、これまで以上に外資系企業が日本に進出してくる。その中で英語を勉強していれば、底辺から浮かび上がるきっかけになることが多い。

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