スタートダッシュ型に変わらなければ人生損

スタートダッシュ型に変わらなければ人生損

私は昔はラストスパート型だった。

締切間際にならないとやる気が出なかった昔

やる気がなかなか出ない。
どうしても出ない。

締切間近までに、自分の気持ちを高める努力が続く。
ようやく締切間近になってやる気が出る。

それから短い時間の間に形を作り、ギリギリになって仕上げる。
短期間に全力疾走するから、疲労困憊するのだが、だからこそたとえようもない充実感を覚えるのだ。

よく失敗していた

だが、このやり方はいつもうまくいくとは限らない。

締切間際になって思いもよらない事件がよく起こるからだ。
突然電話がかかってくる、交通機関が止まる、体調を崩す。

突発的な事件が起こればどうしようもない、自分のせいではないと考えていた。
だから言い訳をしても恥だと思わず、締め切りを延ばしてもらうのも当然と考えた。
あるいは、中途半端なものを提出しても平気だった。

これは私が選んだ私のやり方、人生の型だから、しょうがない、と考えた。
やる気が出ないのは、生まれ持った性格のせいだから、どうしもようもない、と。

スタートダッシュもラストスパートも同じ?

心の中ではこのような行動を正当化していた。

だいたい、失敗することがあるのはスタードダッシュ型の人間だって同じはず。
彼らだって締切間際になって突発的な出来事が起これば、失敗するだろうから。

第一、スタードダッシュ型であろうと、ラストスパート型であろうと、やる気が出るタイミングが違うだけで、成果に違いはなかろう。

それに、スタートダッシュ型に比べてラストスパート型は、時間を無駄にしない、とも考えていた。

前者は締切までの間、仕事のことを考えなければならないのに対し、後者は締切間際にだけ集中努力すれば済む。
時間を有効に使える分、ラストスパート型の方がコスパがいいのではないか、と。

早い段階で全体像が見えているかどうか

だが、年をとるにつれて、どうもそうではないらしいことに気づく。
自分を含め、周囲の友人たちのなかの全体的な傾向がつかめてくる。

グズはやっぱり成功しない。取り掛かりが遅い人間は成果を出せないことが多い。
その結果、スタートダッシュ型の人間の方が、成功している確率が高くなるのだ。

なぜそんな違いが出てくるのだろう?
答えを知ったのは「『締め切りは絶対に守るもの』と考えると世界が変わる」という記事のお陰だ。

ここに私が書いた仕事術は,ひとことで言えば「時間に余裕があるときにこそ全力疾走で仕事し,締め切りが近づいたら流す」という働き方である。仕事に対する姿勢を根本的に変えなければならないので簡単な話ではないが,確実に効果があることは保証するのでぜひとも試みていただきたい。

図は上記HPより引用。作成者:中島聡さん

上の図を見れば、一目瞭然かもしれない。
スタートダッシュ型がなぜ成功し、ラストスパート型がどうして失敗することが多いのか、疑問が氷解するのではないか。

失敗と成功の鍵をにぎるのは、全体像が把握できるかどうかだ。
全体像が把握できないと、様々な局面で迷いが生じる。
無数の選択肢の中でどのように行動すれば良いのか?
ラストスパート型の人間は締切間際まで全体像が見えてこないのだ。
見通しが悪いまま運転する人の事故に合う確率が高くなるようなものだろう。

腕がないのに腕を彫る愚

ラストスパート型のほうが時間を有効に使える、コスパがいい、という考えが間違っていることも明らかだ。
なぜなら、最終的な全体像、つまりゴールの姿を思い浮かべれば、何を「しなくても良いのか」がわかるのだから、無駄なことをせずに済む分、スタートダッシュ型の方がコスパが良いからだ。

たとえば、何かの美術彫刻作品のレプリカを作ろう、と決めたとする。
イメージが湧かず、とにかく彫り始めることだってあるだろう。
しかし、段々とイメージが固まり、それがミロのヴィーナスだったとしたならば。

Author:Livioandronico2013

上の写真のようなミロのヴィーナスのレプリカの作成をすることに決めた瞬間、一生懸命に手の彫刻にこだわっていた時間は、まったく無駄になるに違いない。

この種の過ちはよく起きる。
とりかかることが大切で、最初はゴールが見えないことがあるかもしれないが、その状態から早く脱しなければいけないし、そのためのスタートダッシュなのだ。

自分の性格だから変えられない、は間違い

「性格は変えられないから、行動も変えられない」
と言う人がいる。

このような人がラストスパート型だった場合、その不利をいくら説かれようとも、
「仕方ない、自分の性格だ」
と思い込み、あきらめてしまうだろう。

だが、ほとんどの場合、自分の性格は変えられる。私が何十年も生きていて、性格を変えてきた人々を多数見てきた経験から断言しよう。

それに、極端な話を持ち出すなら、犯罪者ですら真人間になれるのだ。我々は己変革への確信を持って良いのだ。

犯罪を起こした人々が矯正できると考えられているからこそ、刑務所という矯正施設は有るし、実際、性犯罪でもない限り、再犯する人の割合は少ないことにも思いを馳せてほしい。

長時間の真摯な取り組みが、持って生まれた性格を変えることを刑務所の存在が証明している。そんなことはない、と答える人は、近代の社会システムを全否定するようなものだ。

無駄な時間の使い方をしない方がいい

変えられるものなのに、変えられないと思い込んだ瞬間、多くのチャンスを失うだろう。

成功の可能性を減らし、無駄な努力をし続けていては、得られるものは少ない。
「無駄なものなど人生にない」
という考えもあるし、たしかに一見無駄だと思っていたものが後日役立つことは間違いなくある。

しかし、無駄が人生をダメにするケースも数多くあるし、人生を無駄にしている人の方が世の中には多い。

選択は意思の問題、できるかどうかは方法の問題

できるかどうか分からないと、選べない、という人がいる。

だが、スタートダッシュ型を選ぶか、ラストスパート型を選ぶかは、意思の問題であり、意思が最初になければならない。

どうすれば出来るのかという方法は、その後に見つけていけばいい。

「自分はスタートダッシュ型で生きるのだ」
と選び、決意することが、まず大切だ。

あとは、どうしたらスタートダッシュ型にシフトできるのか、方法を探る。自分の性格を変える方法について書かれた本を読んだり、人に聞いたりしながら、少しずつ努力する。方法はかならずある。

性格や生き方を変えるのには時間がかかるが、正しい方法を時間をかけて行えば、必ず変わる。

自分を作り直してほしい。
あなたなら、それができる。

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